



このシーラカンスの空白の時間の説明もですが、薮本さんが新発見の化石をどの時代のものと判断するかを決める際に「一番面白そうな説」を選んだという言葉がとても印象的でした。まさに「これを知るはこれを好むにしかず、これを好むはこれを楽しむにしかず」です。薮本さん、シーラカンスを楽しんでいるなーと話を聞いていてとても気持ちよかったです。

Cafepedia(カフェぺディア)とはcafe+encyclopedia(百科事典)を合成したもので、「百科の学術」つまり生物や物理、文化や社会、芸術や音楽…etc様々な「科学」をキーワードに、様々な方々を語り手に迎え、知的好奇心をくすぐる様々な話題をつまみにして、おしゃれなカフェで飲み物を片手に楽しい時間をすごそうという企画です。
カフェに参加している人だけでなく、その場に居合わせたお店のお客さん全員が、「科学」の話をBGMにお酒を楽しめるような雰囲気を生み出す。科学夜話”Cafepedia(カフェペディア)”はそんな粋な空間を目指しています。





ぞくぞくと人が集まり、あっという間にお店がにぎやかな空間になりました。
いよいよ開演時間です。
なぜ、中村さんはアートの世界にとびこんだのか?そんな話からはじまりました。
単身、シベリア鉄道に乗ってイギリスに行き、初めて体験する自由な環境、何時に起きようと、何をしようと自由。その自由は「こわさ」でもあります。
その自由な環境におかれた「こわさ」、なんとなくわかります。
「面とペルソナ」だったかなー?人は社会の中で、あるときは会社員という「面」、またあるときは父親という「面」、そしてまたあるときは夫という「面」・・・いろいろな「面」をかぶり、その役を人間社会という舞台で演じている。
自由な環境におかれる「こわさ」というのは、この「面」が全くなくなって、自分の素顔でいなければならない怖さなのではないかなーと思います。自分の素顔は自分では決して見ることの出来ないものだから、未知な部分を自分自身で探っていかなければならない「こわさ」というか・・・。よくわからなくなりましたがそんな感じがします。
で、中村さんの話にもどると、そんな時にたまたま座ったベンチの隣にいた人がアーティストで、その人の世界をのぞいてみて、惹かれていったのがアートの世界だというのです。
この世界には、いろいろな人のいろいろな世界があって、そしてその世界が重なり合って、また新しい世界が生まれていく、人同士の世界が重なって、それが自分の世界になる瞬間というのはready mind(こんな言葉あるのかどうか不明ですが・・・)というか、無意識の心の準備というか、そういうものが自分自身中にある時におきるような気がします。
その後の中村さんの話にあった、「アートをするには歴史を知らなければならない」という言葉とも重なりました。
いろいろな体験や思考の積み重ねがあればあるほど、無意識の心の準備をたくさん持つことができ、新しい世界との遭遇を自分の世界できると思います。
アートの歴史は全く知らない自分ですが、人類の歴史のなかでいろいろな芸術家が体験し、思考してきた歴史を自分のものにしていれば、それだけたくさんの無意識の心の準備をもつことができるのではないのかなーと感じました。

なぜCCAなのか、なぜ北九州市なのか、中村さんの親しみやすい語りで話は進んでいきました。
CCAは様々なアーティスト、建築家、科学者などなど、いろいろな世界をもつ人たちが集い、クリエイティブな世界を生み出していく場であると思いました。
それは、自由の「こわさ」から始まった中村さんの経験を通じて生み出された、何の「面」もかぶらない、自分自身の「素顔」で様々な世界の人たちの「素顔」と付き合うことで自分自身の「素顔」を見つけ出していく。そんな場であるのかなーとも思いました。
会場からの質問に対する答えの中でゴッホのひまわりはひまわりを描いたのではなくて、太陽の光を描いていった結果、ひまわりという形になったという中村さんの考えを聞いて、アートもサイエンスも同じじゃないかと感じました。
我々の生きる環境、自然環境でもあり、人間同士の社会環境でもあり、自身の心理環境でもありますが、それをその人自身の観察眼で捉え、そして表現する。その結果がアートになったり、サイエンスになったり、はたまた音楽であったり…などなど。それは表現方法の分類にすぎないのではないかと思いました。
などなど、アートという自分にとっては未知との遭遇により、また新たな世界観が生まれたような気がします。これだからカフェペディアはやめられません。世界は自身の内にも外にも無限に感じるほど広がっています。これから出会う世界を思うと一体自分はどこへ向かうのか?あまりの自由さに「こわさ」を感じた今回のカフェペディアでした。
講演終了後も、語り手の中村さんを囲んで、話が延々と広がっていくのはいつもどおり。
中村さん、新しい世界との出会いをありがとうございました。
今後もカフェペディアでは様々な人々の新しい世界が広がっていきます。ぜひともまた遊びに来ていただければと思います。
ということで、今回も私的な感想による報告となりました。あくまでも私的な解釈なので、本来の語り手の方の意図とは異なる点もあるかもしれないことをご了承ください。