Cafepedia(カフェぺディア)とはcafe+encyclopedia(百科事典)を合成したもので、「百科の学術」つまり生物や物理、文化や社会、芸術や音楽…etc様々な「科学」をキーワードに、様々な方々を語り手に迎え、知的好奇心をくすぐる様々な話題をつまみにして、おしゃれなカフェで飲み物を片手に楽しい時間をすごそうという企画です。

カフェに参加している人だけでなく、その場に居合わせたお店のお客さん全員が、「科学」の話をBGMにお酒を楽しめるような雰囲気を生み出す。科学夜話”Cafepedia(カフェペディア)”はそんな粋な空間を目指しています。

2010年7月8日木曜日

報告書 第二十九夜「あの~、スパコンって何ですか?」

申し訳ありません。
報告書の作成が、ずいぶんと遅れてしまいました。
もう2ヶ月前になろうとしていますが・・・。5/14(金)に九州先端科学技術研究所の柴村英智さんを語り手に迎えてカフェペディアを開催しました。

開場前にcreamのスタッフとお店のお客さんがさらさらーっとポスターを描いてくれました。左上の方にあるイラストはポスターを描いた方がイメージするスーパーコンピュータです。コメントは控えさせていただきます。


今回のテーマは「スパーコンピュータ」、略して「スパコン」です。その言葉はニュースなどで耳にする機会が多くなりました。「パーソナルコンピュータ」こと「パソコン」は今では身近な存在ではありますが、「スパコン」は「スーパー」な「コンピュータ」ですそれがいったいどのようなもので、どのようなことに使われているものなのか?正直言って、SF映画に出てくるようなイメージしか思い浮かびません・・・。今夜も難しい話になるのではと、多少の不安を抱きながら、カフェぺディア、スタートしました。


さて、スパコンで何をするのか?様々なシュミレーションをするのですが、シュミレーションとは何かというとコンピュータのバーチャルな世界でいろいろなものを動かしてみることであります。で、それで何をするかというと、未来を予測するのであります。未来を予測するというと少し大げさかもしれませんが、例えば、天気予報も未来の天気を予測するわけで、これも様々な気象データを数式に基づいたモデルに当てはめて計算し、「明日は雨が降る」といったことを予測するわけです。

いや待てよ、計算によって未来が予測できるという考え方に基づいているのであれば、この世の全ては数式で表せるということであって、完璧な数式と計算ができればなんでも予測可能だし、未来だけでなく過去も予測(?)可能っていうことであり・・・。本当に決められた数式であらわされる法則だけでこの世が動いているのだろうか?数式で表される法則というものは単に把握できる現象にたまたま当てはまるものが適用されているに過ぎないのではないのか・・・。などと全く違う方向へと思考が進んでしまいそうになりました。

で、その計算をするために、「現時点の一般的なコンピュータに比べてきわめて高速かつ大量の計算ができる」スーパーコンピュータを使用するわけです。
そこで早速、疑問です。高速に計算できれば大量に計算できるんだから、高速かつ大量に計算できるって当たり前じゃないと思うのですが、「高速に計算する」ということと「大量に計算する」ということは全く特性が違うのだそうです。どう違うのか?すみません。ぼんやりとしか理解できず、はっきりと報告できません。柴村さん、またレクチャーしてください。


さて、気を取り直して、スパコンはどうやって作るのか、体育館ほどの空間にたくさんのコンピュータを並べて、そのコンピュータをケーブルでつなぎます。そしてそのコンピュータを動かすための電源、そしてコンピュータから発生する熱を抑えるためにクーラーを設置します。あとは全てのコンピュータがうまく動けば、スパコンの出来上がりです。と、こう書くと簡単に思えますが、たくさんのコンピュータとは数万個の超高速プロセッサ、つなぐケーブルは数万本、重さにして数十トン、長さで言えば日本からアメリカに到達するほどの長さです。しかもそれを人力で接続していくわけです。この報告書を作成している我が家のPC環境ですらケーブルだらけで何がどこにつながっているやら混沌とした状態で、接続しなおすだけで一苦労です。それが、数万本・・・。整理整頓のできない私には無理です。
で、接続が完了したからといってそれでスパコンがうまく動き出すわけではなく、つながれたコンピュータが一つのシステムとして動くように構成しなければなりません。これがかなり大変なのだそうです。

どうして大変か?それは「アムダールの法則」です。
といって紹介された一つの数式・・・。理解不能の世界に突入か!と思いきや、実は非常におもしろい法則です。
スパコンはある計算があったとき、ネットワークでつながれたたくさんのコンピュータで分担して計算を行います。例えば千羽ツルを折るとします。1人でツルを折れば1000羽折らなければなりませんが、100人なら10羽、1000人なら1羽折れば完成です。つまり仕事を分担する相手が多いほど一人当たり、コンピュータであれば一台あたりの仕事は小さくなります。それならば、たくさんのコンピュータをつなげればつばぐほど大量の計算を一瞬にできるかというとそううまくはいかないのです。再び千羽ツルを折るとします。1000人の人に分担してツルを折ってもらえば一瞬で作業が終わるかというとそうではありません。まずは1000人の人に折り紙を配布し、そして折ってもらったツルを回収し、色のバランスを整えながら、一つの束にしていかなければなりません。その作業は取りまとめの人がしなければなりません。つまり、折る人がたくさんいたとしてもその仕事を配分し、取りまとめる人がうまく作業をできなければ全体としての作業は効率よく進まないということです。

こういうことを数式で表したのがアムダールの法則で(数式は検索してみてください)、全体の90%が並列処理可能(=みんなで分担してできる仕事)な仕事を1000台のパソコンで処理しても、1台のパソコンの1000倍で処理できるわけではなく、10倍以上は早くならないのです。
つまりはいくら大勢で仕事をしても、取りまとめをする人が効率よくやらないと、大勢でやっただけの効果が得られないということです。う~ん、これってスパコンだけでなく、実生活でもかなり言えることでは・・・。と、考えさせられました。




スパコンの設計とは一台一台のPCの性能向上もさることながら、いかにして効率的に計算をさせるかというシステム設計にかかっているんですね。ハードの能力だけでなく、それを動かすシステムプログラムが非常に重要なのですね。と、思っていたらそれだけではなく、スパコンを使用して何を計算するのか?つまりスパコンを使って何をするのか?スパコンを気軽に使用できる環境の整備、そして使用できる人材の育成も重要だということなのです。確かに昨今のIT化の流れで、いろいろシステムが職場でも導入されていますが、使用されなければ&使用できる人がいなければ全く意味のない存在となり、そしていつしか古いシステムとして放棄されてしまうことが多々あります。
技術を開発する人とその技術を使用する人、その両輪がうまく回ることで、新しい技術がどんどん発展していくのであって、どちらかが滞ってしまえば、そこで技術の発展はストップしてしまうことになるわけですね。

今回のカフェペディアの最初にスパコンを使って、「バーチャルな世界で計算し、未来を予測する」という話がありました。

未来を予測する、予測しようとするのはヒト特有の能力であると何かの書物で読んだ記憶があります。古くは占いから始まって、自然科学が発達して、ガリレ オ・ガリレイが「自然は数学という言葉で書かれている」といったように、法則と数式、計算で未来を予測しようとするのが現代の人類です。そしてその強力な 道具となるのがスーパーコンピュータなのだと思います。

先日、東京お台場にある未来科学館の展示で「”ヒト”とは、過去に思いを馳せ、未来を見据えて、今を行動できる地球上で唯一の生物である。」太田博樹、古市剛史、松沢哲朗(人類・霊長類学者)という言葉に出会いました。

スパコンの開発とそれを使用する人の関係と同じように、スパコンで予測する未来、そして手に入れた予測を使って今を行動する”ヒト”、この両輪がうまく回ることで、”ヒト”の世界は広がっていくのかもしれないなーと思いました。

実は、今回のカフェぺディア、私が語り手に時間配分をうまく伝えていなかったため、時間を延長して二部構成で行いました。事前に告知したスケジュールで遊びに来ていただいていた方には、話が途中で終わってしまったような形になってしまい大変申し訳ありませんでした。

延長した第二部の終了後も、遅くまで柴村さんにはいろいろとお話&お酒をお付き合いいただきました。

実は今回のカフェペディアで話しきれなかった内容がたくさんありまして、それが、かなりおもしろいのですが・・・。柴村さん、またの語り手よろしくお願いします。

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