今回は「恐竜」がテーマということで、親子連れの参加者も多数ありました。

というより子どもが親を連れてという表現の方が正しいでしょうか、食事を楽しむ親を後目に語り手の真鍋さんと語り合う子どもの姿・・・。夜のカフェでは普通は見られない、カフェペディアならではの光景です。大人でも子どもでも「知る」を楽しむ人ならカフェペディアの参加者です。
自慢の化石を片手に子どもが真鍋さんの所に集まります。
普段も語り手の方には語りの時間前に会場に来ていただき、参加者との会話と食事を楽しんでいただくようにしているのですが、大人の参加者の場合、語りの時 間前に初対面の語り手の方と積極的に会話をする様子はあまりありません。が、子どもたちは初対面だから・・・といったことは全く意に介していません。「知 りたい」という欲求を前面に出して語り手との会話を楽しんでいます。カフェペディアという場の楽しみ方を子どもたちに教わったような気がしました。ただし、語り手の方にもcreamの美味しい食事を楽しませてあげてくださいね。
さて、語りの時間スタートです。
会場は・・・超満員!いや会場のキャパを越えています。
ざっと50~60名でしょうか。立ち見&立ち食事。かなり窮屈な状況になってしまいました。
まずはクイズ、首長竜や翼竜は恐竜だ。○か×か?
会場の答えは半々です。正解は×です。
ならば恐竜とは何ぞや?
爬虫類はひじ、ひざが横に張り出しますが、恐竜はひじやひざが体の真下につきます。恐竜は直立歩行をするということです。
えーっ、なんでそんなことがわかるの?という疑問を見透かしたように、真鍋さんは恐竜の足跡の化石のスライドを見せ、つま先がまっすぐに並んで足跡がついていることがその理由の一つであることを身振り手振りを交えて説明していただきました。
それでは化石、すなわち骨だけを見て恐竜か恐竜でないかどうやって見分けることができるのか?腰骨の大腿骨が接続する部分に穴があるとしっかり足が入るということで直立歩行をしていたいきもの、すなわち恐竜であるということがわかります。この腰骨の穴がしっかりしていないと足が横に張り出していたということで恐竜ではないということになります。
文章だけではわかりにくいですよねー。やはり真鍋さんの説明のように身振り手振りがあるとすごくわかりやすいです。動物のことを説明するのですから、同じ動物である人間が動きを実演するのが一番わかりやすいということでしょうか。
さらに隕石による恐竜絶滅説に対する最新研究の話、最初に見つかった化石の解釈仕方のせいでオビラプトル(タマゴどろぼう)という名前をつけられた恐竜が実は雄雌で卵をしっかりと抱いて育てる面倒見のよい恐竜であることがわかるまでの、汚名返上のストーリーを、様々な化石発見とその化石から謎が解かれていく過程を推理小説のように論理的に語っていただきました。
そのオビラプトル汚名返上ストーリーの中ででへーっと思ったのは化石として残った骨から雄雌を見分ける方法の話です。
現在のニワトリの骨を調べると産卵期の雌のニワトリの骨には卵の殻をつくるために中空部分にカルシウムがたまっています。これを応用すると骨の中空部分にカルシウムがたまっている化石は産卵期の雌の恐竜であるということがわかるのでは!・・・しかし、産卵期でない場合は雌でも骨にカルシウムがたまっていないので雄か雌か判別がつかない・・・。残念。
過去の生きもののことを調べるには直接的な手がかりは化石しかありません。しかし、この手がかりから謎を解くヒントは現在の生きものの体に詰め込まれています。恐竜を知るには生きものの中でも体の構造が最もよく研究されている人間の骨を勉強するそうです。そこでピンときました。真鍋さんのお話はすごくわかりやすいのですが、なぜだろうと話を聞きながら考えていましたが、真鍋さんの解説には必ず身振り手振りがあります。

きっと真鍋さんは恐竜のことを考える際に最も理解されている人間の体、その中でも最もわかりやすい自分の体をああでもない、こうでもないと動かしてみながら、恐竜の体の構造を考えていているのではないだろうか?だから様々な恐竜の話をされるときにその思考プロセスが言葉だけでなく体でも表現されることで聴き手はすごくわかりやすく感じるのではないのだろうか。
恐竜研究は体で考える研究、研究室で恐竜の骨を前に踊るように体を動かしている真鍋さんを想像していました。(勝手な想像を膨らませて申し訳ありません。)
さらに最近の真鍋さん一押し恐竜、ラプトレックスとアンキオルニスの話です。
まずはラプトレックス。
有名なティラノサウルスは頭でっかちで手が短い巨大な恐竜ですが、なぜ頭でっかちで、手が短くなったのか?これまでは巨大化するにつれて、大きな獲物をとるために頭を大きくし、その分、手を短くすることで二足歩行時のバランスをとるようになったのだとされていました。しかし、最近発見されたラプトレックスは小さい体ですがすでに頭でっかちで手が短いというスタイルで、実はティラノサウルスは体が巨大化する前からそのスタイルの方向性が定まっていたのではないかと考えられているそうです。
アンキオルニスは始祖鳥とミクロラプトルをつなぐ存在として注目されています。
最古の鳥といえば始祖鳥なのですが、前足だけでなく後ろ足にも羽毛のあるミクロラプトルという羽毛恐竜がいます。このミクロラプトルは始祖鳥よりも新しい時代に化石が出ており、より鳥らしい始祖鳥よりも新しい時代に後ろ足にも羽毛があるミクロラプトルが出てくるのはおかしいという意見があったそうです。しかし、今回でたアンキオルニスはミクロラプトル同様、後ろ足にも羽毛があり、しかも始祖鳥よりも古い時代に化石が出たということで、始祖鳥とミクロラプトルの共通祖先ということでこれまでの始祖鳥とミクロラプトルの時代的な整合性をつなぐ存在となっています。
しかし、アンキオルニスの化石のすごいところはそれだけではありません。化石の羽毛の部分にある粒子を電子顕微鏡でみると現在の鳥の羽毛で見られるメラニン色素の痕跡であることがわかりました。そこでメラニン色素の形、大きさ、密度などを現在の鳥と比較して色を再現してみると・・・
こんな感じだそうです。このカラフルさにも驚きですが、きちんとした根拠に基づき色を再現することができるという点が感動です。おそらく、また新しい化石が出てくれば、もしかするとこの着色もかわるかもしれません。私が子どもの頃の恐竜図鑑の恐竜はみんな尻尾を地面に引きずっていて、地味な色でした。今、書店に並ぶ恐竜図鑑の恐竜たちは尻尾をぴんと水平にして行動的な姿で描かれています。新しい発見があるごとに恐竜の姿は変わっていきます。過去は変えられないとよく言いますが、今が変わるにつれて過去もどんどん変わっています。科学技術は日進月歩で進み未来を変えていくと言われますが、恐竜学の世界は日進月歩で過去を変えていると思います。未来も過去も今を生きる我々がつくっている。などとまた変な方向へと思考が進んでいってしまいました。
語りの時間後はもちろん夜更けまでフリートークです。
語りの時間に様々な子どもたちが塗り絵をした恐竜の絵を紹介していただきましたが、その一つ一つにコメントを書かれていたのには驚きました(恐竜がおしっ ことうんこをしている絵に、恐竜は爬虫類の仲間だからおしっことうんこは同じところからでるんだよ。とコメントされているのには感動しました)。フリートークで交わされた様々な疑問に対しても真鍋さんは深い引き出しで、明快に、時にはともに考えつつ答えていただきました。
気づくとあっという間に日付が変わる時刻になっていました。
最後にカフェペディア語り手経験者の記念撮影ということで、第八夜の薮本さん、第十七夜の黒河さん、今回の真鍋さんのスリーショットです。(実はこの撮影のちょと前まで第二十五夜のゴドレールさんもいらっしゃいました。もう少しはやく撮影を思いついていればフォーショットだったのに・・・)。
語り手も聴き手として集まるカフェペディアという場がなんだかいい感じだなーという気がした夜でした。最後に今回参加してくださった方々へお詫びさせていただきます。今回は予想を大幅に上回る参加者で、会場の運営がうまくいかず、ここちよい空間を提供できなかったことをお詫びします。今回の経験を今後に活かし、運営を工夫していきますので、またカフェぺディアに遊びにきてください。
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