Cafepedia(カフェぺディア)とはcafe+encyclopedia(百科事典)を合成したもので、「百科の学術」つまり生物や物理、文化や社会、芸術や音楽…etc様々な「科学」をキーワードに、様々な方々を語り手に迎え、知的好奇心をくすぐる様々な話題をつまみにして、おしゃれなカフェで飲み物を片手に楽しい時間をすごそうという企画です。

カフェに参加している人だけでなく、その場に居合わせたお店のお客さん全員が、「科学」の話をBGMにお酒を楽しめるような雰囲気を生み出す。科学夜話”Cafepedia(カフェペディア)”はそんな粋な空間を目指しています。

2008年8月26日火曜日

第八夜「生きた化石シーラカンス、地球の歴史を大いに語る~シーラカンスと魚類化石~」

カフェペディアを8/19に開催しました。

昼まで雨が降っていたので、初の雨の日のカフェペディア開催か?と思っていましたが、夕方になるとすっかり晴れていました。


今回のテーマは「シーラカンス」。

今月2回目となるカフェペディアですが、いのちのたび博物館で開催中のシーラカンス展の開催中にぜひともこのテーマでカフェペディアをやりたい!というカフェペディア運営者側の強い希望(シーラカンス展を存分に楽しみたいがため)により、いのちのたび博物館の薮本さんに語り手として登場していただきました。
シーラカンスといえば、超がつくほど有名な生きた化石です。
子どもの頃は、シーラカンスが生きているなら、ネッシーだってきっと生きている!と想像を膨らませていました。

カブトガニやゴキブリやメタセコイヤなども生きた化石ですが、シーラカンスは別格です。

なぜか…日本で生活する自分にとっては全然身近な生きものではなく、やはり未知の生物だからです。ということは、現在シーラカンスが生息するインドネシアや南アフリカではシーラカンスは身近な生きもので、地元では未知の存在ではないのでしょうか?

生きているシーラカンスの発見は1938年南アフリカにて漁師が捕獲したものをラティマーさんという博物館に勤める女性が調査したものの分からず、スケッチを魚類学者に送ったところ、なんと大昔に絶滅したと思われていたシーラカンスだった!というのが発見の経緯だったそうです。

きっと、それ以前にもシーラカンスは漁でとれてたんでしょうね。あまり美味しくなさそうだし、網にかかっても雑魚扱いだったりして。だから生き残ってきたのかも…

それはともかく、ラティマーさんのスケッチ、とても味があります。

ちなみにシーラカンス展のマスコット(?)はこのラティマーさんのスケッチがもとになっているそうです。



しかも、1938年発見なので今年2008年はシーラカンス発見70周年という記念すべき年なのです(薮本さん曰く)。

そんなシーラカンスですが一体何者なのだろう?
海にいるから魚類!ではなく
両生類や爬虫類、哺乳類に近い生物なのだそうです。
そのほかにも…
肺がある!(呼吸はえら呼吸で肺には油が詰まっていてうきぶくろの機能を果たしているそうです。)
子どもを産む!(30cmくらいのが26匹もお腹の中に!)
背骨がチューブ!(尾びれをくねらして泳ぐなんてできないなー)
上あごが上下に可動する!(かなりの大口が開ける)
うーん、いったいどう分類すべきなのか…
いや、そもそも生物が進化という歴史の中で連続したものであるならば、はっきりと分類することはできないのが当たり前。とはいえ分類することで人間の思考は整理され新しいことが見えてくるものです。新しい発見があるごとに分類を整理しなおす柔軟さがさらに新しい発見につなげていくために大切な気がします。


さて現生のシーラカンスは南アフリカとインドネシアに生息していますが、白亜紀以降はシーラカンスの化石は見つかっていないそうです。この空白をどう説明するのか?

シーラカンスの空白の時間のアリバイを探ります。
通常ならば、「そんなのまだ発見されていないだけでどこかにあるこもしれないじゃないか?」と思うのですが…
それじゃあおもしろくないから
白亜紀には既に化石になりにくい深海に適応していたのかもしれない!という推理を進めていくと
後期ジュラ紀のころ、現在のアメリカ大陸とアフリカ大陸、ユーラシア大陸の間に一続きの海溝があって深海に適応したシーラカンスはそこに生息していました。
しかし大陸移動によりインドがユーラシア大陸にぶつかることで一続きの海溝が分断されて、アフリカのシーラカンスとインドネシアのシーラカンスにわかれたという推理。
 
感動しました。

大陸移動というと今まで、地上の世界のことしか考えていませんでしたが、海の中の世界にもおおきな影響を与えているのですねー。

となると、アメリカ大陸の海溝でもシーラカンスが生息しているはずなのですが、アメリカ大陸の海溝でシーラカンスが見つからないのはメキシコユカタン半島への巨大隕石の衝突のせいでは…などと想像が膨らみます。

このシーラカンスの空白の時間の説明もですが、薮本さんが新発見の化石をどの時代のものと判断するかを決める際に「一番面白そうな説」を選んだという言葉がとても印象的でした。まさに「これを知るはこれを好むにしかず、これを好むはこれを楽しむにしかず」です。薮本さん、シーラカンスを楽しんでいるなーと話を聞いていてとても気持ちよかったです。


もちろん、講演終了後もシーラカンス(話)をおつまみに心地よい時間を過ごしました。
 
自分にとっては未知の領域である世界を楽しむ域に達した人たちのその「楽しさ」触れることができるカフェペディアという空間は毎回、自分自身の世界を広げてくれるような気がします。

いのちのたび博物館で開催中のシーラカンス展で圧巻だったのは床と壁一面に魚類化石が敷き詰められた空間です。この空間で一杯飲みたいと思ったのは私だけでしょうか?

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しませてもらっているoikeです。
今回は子供が大騒ぎでご迷惑お掛けしましたが、先生の温かい眼差しのおかげで何とか話を聴くことができました。
「なぜ(あまり)変化していないのか」
そうした私の問いに「進化がある程度行き着いているのではないか」、そう答えてくれた薮本先生(ちょっと違うかもしれないけど・・)。
その時、私の中にも一つの強烈なインパクトがありました。
「太古の生物が生き残っている」のではない、
「変化したがるものと、あまり変化しないもの、ただそれだけだ!!!(大袈裟)
では、一番変化したのは誰だ?
楽しかったです。