Cafepedia(カフェぺディア)とはcafe+encyclopedia(百科事典)を合成したもので、「百科の学術」つまり生物や物理、文化や社会、芸術や音楽…etc様々な「科学」をキーワードに、様々な方々を語り手に迎え、知的好奇心をくすぐる様々な話題をつまみにして、おしゃれなカフェで飲み物を片手に楽しい時間をすごそうという企画です。

カフェに参加している人だけでなく、その場に居合わせたお店のお客さん全員が、「科学」の話をBGMにお酒を楽しめるような雰囲気を生み出す。科学夜話”Cafepedia(カフェペディア)”はそんな粋な空間を目指しています。

2009年1月14日水曜日

第十二夜 「動物となかよく暮らす方法-旭山動物園の革命児が語るニホンオオカミ絶滅の真実」

昨年の出来事となってしまいましたが、12/21(日)に2008年最後となるCafepediaを開催しました。
開催日は冬至ということで、キャンドルの灯に包まれた中での開催。いつもとは趣の異なる雰囲気に話もお酒もすすみそうです。
今回は北海道、旭山動物園で「革命児(?)」として活躍中の坂東元さんがオオカミについて語っていただけるということで、最近オオカミに興味をもつ管理人としては開催を非常に楽しみにしておりました。
いつものように開演前の腹ごしらえです。まだ会場は電気照明を点灯していますが、開演途中からは完全にキャンドルの灯と移行しました。そのため以後紹介する写真はほとんど真っ暗ですが、ご了承ください。
さて、いよいよ開演です。
日本ではオオカミはすでに絶滅した(させられた)動物です。その絶滅には文明開化がきっかけとなったということなのです。どういうことなのか?
北海道でのオオカミと人とのかかわりの話をしていただきました。
文明開化以前は北海道、蝦夷地はアイヌとオオカミは互いに自然界で生活をする仲間として共に暮らしていました。しかしながら、文明開化とともにすすんだ蝦夷地の欧米式開拓スタイルは人とオオカミを対立する存在にしてしまったのです。

きっかけは畜産です。囲い込んで飼われた馬はオオカミにとって格好の餌食となります。オオカミの住む北海道で開拓を進めるには牧畜をあきらめるか、オオカミを絶滅させるかという二者択一の選択がなされ、当時、開拓を進める人たちは当然のことながらオオカミの絶滅という選択肢を選びました。
奨励金をかけてオオカミを狩ることが行われました。その動きの中には悲しい歴史があり、開拓によりこれまでの生活を奪われたアイヌの人たちは生きていくために、これまで共に生活してきたオオカミを狩り、奨励金を得る方法を選ばざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

第十夜の宇梶さんの話を思い出しました。これまでの暮らしを奪われ、そしてこれまでの暮らしを破壊することに自ら手を貸さざるを得ない状況に追い込まれていったアイヌの人たちの心情はどれほどのものだろう?

自分自身を否定することを他人に強要され、そして自分自身の手で自分自身を否定していく。そしてある時、失った自分自身が自分自身をなりたたせているものであることに気づき、それを取り戻そうとする決意をする。その重さが宇梶さんと握手を交わしたときに感じたやわらかな力強さだったのだとオオカミとアイヌの話を聞いたときに気づきました。


話は戻って、オオカミが馬を襲うようになった原因にはエゾシカ猟も大きく影響していたとのことです。シカ肉が売れるということで、大量のエゾシカが狩られるようになりました。エゾシカを獲物としていたオオカミにとっては獲物のエゾシカがいない、だったら馬を襲うという結果になってしまうのは必然です。オオカミが馬を襲うような生活に追い込んだのも人なのです。意図的であるかどうかは別にしても同じような状況を人と人の歴史、そして今現在世界で起こっていることにも垣間見ることができるような気がします。

人は、その時々の自身の利益を中心にこれは害獣、これは益獣と分類し、動物(自然)に接しています。その接し方は自然に対してだけでなく、人間に対しても同じようなことをしているような気がします。その価値観が、どうも人間そのものの存在を危うくしているような原因であるような気がします。

坂東さんが語ったようにどこに「豊かさ」を感じることができるのか?

世の中で語りつくされていることではありますが「豊かさ」とは、数字や金銭で図れるものではないことは明白です。それでもそこから抜け出せないのはなぜなのだろう?真っ暗な思考の迷宮にはまり込んでしまった管理人でありますが、坂東さんの話がキャンドルの灯のように、答えへと近づけてくれそうな気がしました。

お話の後はいつも通り、お酒を交わしてのフリータイムです。写真では真っ暗ですが、話は延々と盛り上がりました。その雰囲気にお酒がすすみ、ひさびさの午前様となってしまいました。

今回も非常に盛りだくさんの内容だったのですが、私の文章構成能力では、ほんの一部しか報告書で記載することができないことが残念です。このカフェペディアの雰囲気は百聞は一見にしかず、ぜひとも体験していただければと思う管理人であります。

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