かなり時間が空いてしまいましたが、昨年12月7日に開催した第三十五夜の報告書です。
なぜ、時間がかかったか?言い訳させていただきます。それはこの回の内容を全て理解して書こうとしてしまったからです。これが大間違いでした。理解ではなく感じるままに書けばよかったのです。何を言っているのかわからないと思いますが、この報告書を読んでいただければなんとなくわかっていただけるのではないかと思います。と言っても相変わらず支離滅裂の文章になっているかと思いますが…。
…報告します。
第三十五夜のカフェペディアは九州大学の若山正人さんを語り手に迎え、数学をテーマに開催しました。
タイトルは「素数の力!」。
素数…。
”1とその数自身以外に割り切れない、1より大きな自然数”、学生時代、数学の時間にそのように学びました。それ以降、素数という言葉には触れたことがありません。

…と思いましたが、昆虫に興味関心のある私は”素数ゼミ”を通じて素数に触れていました。
とはいえ、それ以外には素数を考えたことはありません。その素数の”力”とは?
若山さんの話はその”力”の意味するところからはじまりました。
今回のカフェペディアで語られる「素数の力」の一つはカシミール力という数学を使って発見された物理的、微小な力。もう一つは我々の日常生活に使用されている技術としての力です。
日常生活に素数が使われている・・・?
携帯電話などの信号は情報セキュリティーのため暗号が使われているのですが、この暗号には素数が使われているということなんです。
なんと我々は常々、素数にお世話になっていたのですね。素数に思いを馳せなかった自分に反省です。
さて、この素数、いつ発見されたかというと今から2,500年程前、古代ギリシアのクロトンという町でピタゴラス学派の方々が「素数は∞個あるということを証明した」のだそうです。どうやって証明したかというと、背理法で証明していきます。つまり「素数が有限個である」と仮定して、それに矛盾があることを示し、故に素数は∞個あるということを証明するのです。えーっ、詳しい証明はネットで検索すると出てきますので省略します。
で、この素数が∞個あるということが、先に書いた「素数が暗号に利用される」と言うことにつながるわけです。暗号はつくりやすく、そしてその秘密を知らない人には解けないことが求められます。実際にどうやって素数を暗号にするかというと、大きな素数を複数設定し、それらを乗じた数を秘密のキーとするのだそうです。そうすると大きな数ですから、それが整数か素数であるのかの判定も困難になります。つまり、作りやすく、解かれにくいということになります。例えば100桁の数字が与えられて、これをすぐに因数分解、つまり素数の積で表せるか否かということです。
計算機で時間をかけて計算していけばできそうな気もしますが、現代の計算機の能力で素因数分解をするのに100年かかるのであれば、実生活では十分実用的な暗号であるということになります。
話はオイラーのゼータ関数へ…この辺りから私の理解は追いつかなくなっていきます。報告書の内容は私の理解の範囲で書いていきますので間違った理解があればご指摘ください。
まずはバーゼル問題の紹介
1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+1/8+…=∞
ですが、
1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+1/6^2+1/7^2+1/8^2+…=π^2/6
になるそうです。
で不思議なのがこの分数の部分が偶数乗のときはπがでてくる値になるのですが、奇数乗になるとどうなるのかは不明のままなのだそうです。
感覚的には∞個に数を足せば∞になるように思いますが、必ずしも∞にはならないんですね。

で、
スクリーン上にはさらに理解不能な式があらわれます。
"1+1+1+1+1+…"=-1/2
"1+2+3+4+5+…"=-1/12
"1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+…"=0
"1^3+2^3+3^3+4^3+5^3+…"=1/120
普通に眺めれば、これって全部∞になるのでは…と思うのですが、よく見ると式の左辺は""でくくられています。
早速質問です。やりとりを要約すると、
「""はなんですか?」
「解析接続をするということです。」
「解析接続とは?」
「∞へと発散する式は意味がないから、式の関係性を拡張し意味を持たせるのです。」
「・・・?」
「一つの式だと意味が限られる、二つの式を組み合わせると意味する世界が広がる。解析接続とは意味を拡張するとも言えます。」
若山さんにはいろいろと図示していただき説明していただいたのですが、私の正直な感想は
「わかるようで、わからない…。」
ですが、わかるようになるために必要なことはたぶん
数式を数式として理解するのではなく、1、2、3…という個数にとらわれるのではなく、数式があらわすことをイメージとして捉えることができる感覚なのだと思いました。

若山さんはさらにわかりやすく語っていただきました。
「発散しているものにどのように意味をもたせるかが解析接続である。」
「発散を正当にくりこむ」
「見かけの∞、それだけを見ていたら何も見えてこない」
「∞をどうとらえるか?」
「∞とは状態を示すもので、∞を∞のままにしておくことは∞を傍観していることである。」
「∞になっていくことに意味をもたせる。ただし意味を持たせられない∞もある。」
いきもの脳の私としては、生態系をどうとらえるのかに似ている感覚のような気がします。自然環境もただ傍観していては何も見えません。ミクロに、マクロに、様々に関係性を変えて、その捉え方を変化させるといろいろな意味が見出されます。自然界の営みも目に見えるものではありません。背後にあるものをイメージする能力が必要です。例えば花にとまる昆虫を見てその背後にある関係性をイメージできるかということです。かなり話が飛びすぎましたが、若山さんの話を聞いて私が考えたことであります。
さてさて、話はリーマン予想、カシミール効果と続きます。
リーマン予想とは素数の分布に周期性があるということにつながる予想です。最新の計算機で試すと100万個はその予想の上にあるそうです。ですが、いくつあろうが、証明できなければ数学的には意味がありません。ということで未だにリーマン予想は証明されていません。

とここで疑問、素数の分布に周期性があることが判明したなら素数をつかった暗号はすぐに解読されれしまうのでは?
暗号の安全性は下がるけれども、現在でもリーマン予想を仮定した安全度で暗号をつくっているので、実際には問題ないそうです。ただし、革新的な計算スピードを可能にする量子コンピュータが発明されるとあぶないそうです。技術革新が行われるとさらに技術革新が必要になるのですね・・・。
続いて、もう一つの素数の力、カシミール力。
どのような力かというと。真空中に2枚の金属板を並行におくと発生する微小な力です。数学の理論によってその存在が予想されていたのですが、最近ようやく実験で測定されたのだそうです。つまり数学の理論が実際の力を現しているのです。
数学者曰く、「素数と宇宙がどちらが裂きにあったかというと、素数の方が先にあった!」
このカフェペディアが開催された2010年はカシミール力を予想したカシミール生誕101年だそうです。
ここで、若山さん一句
「素在りと目にはさやかに見えねども、空(くう)の力におどろかれぬる」(カシミール効果(真空)の歌)
この歌の元ネタは
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる」という古今和歌集1111首のうち169番目の歌だそうです。
リーマン予想が提出された年は1859年
出てきた数字を整理すると
この1859は素因数分解すると 1859=11×13^2=11×169
1111=101×11
全てが関連する!
そんな記念すべき2010年は素数的にも特別な年なのでありました。
正しい命題を証明したとき、数学では「発明した」ではなく「発見した」と言うそうです。数学者、小平邦彦さん曰く、「夏目漱石の『夢十夜』にある運慶が仏像を木から掘り出す話と同じく、数学的事実は我々が知らないだけであるんです。」そういう意味で、宇宙の前に素数はあると言えるのです。
高校までの数学はこった問題がいろいろと出されますが、これは訓練でなんとかなるそうです。しかし、大学での数学は言葉の習得、概念の習得でさらに直観力というものが求められるそうです。
そういう話をうかがって思いました。世界をとらえ、表現する方法には物理学、生物学、文学、絵画、音楽などたくさんの方法があって、数学もその一つなのではないかと。人間が作り出した様々な学問はすべて世界を知りたいという欲求からはじまったものではないかと。そんなことをぼんやり考えました。
ひさびさ(十数年ぶり)の数学の話に私も含めて会場のみなさんはぐったりした様子でしたが、「久々に脳味噌がいい汗をかいた」という感じで、スポーツを楽しんだ後のような、爽快な疲労感に満たされておりました。

参加者のアンケートにも印象的な言葉がありました。「今回のカフェペディアでの話は理解は困難だったけど、詩をきいているような心地よさがあった。」
私もそう感じました。
今回のカフェペディアをきっかけに私の数学観は大きく変わり、数学関連の本を読むようになりました。が、よく理解できないことばかりですが…。数式を絵画を見たり、音楽を聴いたり、イメージとしてとらえることができるようになりたいと思っております。
若山さん、素敵な時間をありがとうございました。
なぜ、時間がかかったか?言い訳させていただきます。それはこの回の内容を全て理解して書こうとしてしまったからです。これが大間違いでした。理解ではなく感じるままに書けばよかったのです。何を言っているのかわからないと思いますが、この報告書を読んでいただければなんとなくわかっていただけるのではないかと思います。と言っても相変わらず支離滅裂の文章になっているかと思いますが…。
…報告します。
第三十五夜のカフェペディアは九州大学の若山正人さんを語り手に迎え、数学をテーマに開催しました。
タイトルは「素数の力!」。
素数…。
”1とその数自身以外に割り切れない、1より大きな自然数”、学生時代、数学の時間にそのように学びました。それ以降、素数という言葉には触れたことがありません。

…と思いましたが、昆虫に興味関心のある私は”素数ゼミ”を通じて素数に触れていました。
とはいえ、それ以外には素数を考えたことはありません。その素数の”力”とは?
若山さんの話はその”力”の意味するところからはじまりました。
今回のカフェペディアで語られる「素数の力」の一つはカシミール力という数学を使って発見された物理的、微小な力。もう一つは我々の日常生活に使用されている技術としての力です。
日常生活に素数が使われている・・・?
携帯電話などの信号は情報セキュリティーのため暗号が使われているのですが、この暗号には素数が使われているということなんです。
なんと我々は常々、素数にお世話になっていたのですね。素数に思いを馳せなかった自分に反省です。
さて、この素数、いつ発見されたかというと今から2,500年程前、古代ギリシアのクロトンという町でピタゴラス学派の方々が「素数は∞個あるということを証明した」のだそうです。どうやって証明したかというと、背理法で証明していきます。つまり「素数が有限個である」と仮定して、それに矛盾があることを示し、故に素数は∞個あるということを証明するのです。えーっ、詳しい証明はネットで検索すると出てきますので省略します。
で、この素数が∞個あるということが、先に書いた「素数が暗号に利用される」と言うことにつながるわけです。暗号はつくりやすく、そしてその秘密を知らない人には解けないことが求められます。実際にどうやって素数を暗号にするかというと、大きな素数を複数設定し、それらを乗じた数を秘密のキーとするのだそうです。そうすると大きな数ですから、それが整数か素数であるのかの判定も困難になります。つまり、作りやすく、解かれにくいということになります。例えば100桁の数字が与えられて、これをすぐに因数分解、つまり素数の積で表せるか否かということです。
計算機で時間をかけて計算していけばできそうな気もしますが、現代の計算機の能力で素因数分解をするのに100年かかるのであれば、実生活では十分実用的な暗号であるということになります。
話はオイラーのゼータ関数へ…この辺りから私の理解は追いつかなくなっていきます。報告書の内容は私の理解の範囲で書いていきますので間違った理解があればご指摘ください。
まずはバーゼル問題の紹介
1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+1/8+…=∞
ですが、
1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+1/5^2+1/6^2+1/7^2+1/8^2+…=π^2/6
になるそうです。
で不思議なのがこの分数の部分が偶数乗のときはπがでてくる値になるのですが、奇数乗になるとどうなるのかは不明のままなのだそうです。
感覚的には∞個に数を足せば∞になるように思いますが、必ずしも∞にはならないんですね。

で、
スクリーン上にはさらに理解不能な式があらわれます。
"1+1+1+1+1+…"=-1/2
"1+2+3+4+5+…"=-1/12
"1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+…"=0
"1^3+2^3+3^3+4^3+5^3+…"=1/120
普通に眺めれば、これって全部∞になるのでは…と思うのですが、よく見ると式の左辺は""でくくられています。
早速質問です。やりとりを要約すると、
「""はなんですか?」
「解析接続をするということです。」
「解析接続とは?」
「∞へと発散する式は意味がないから、式の関係性を拡張し意味を持たせるのです。」
「・・・?」
「一つの式だと意味が限られる、二つの式を組み合わせると意味する世界が広がる。解析接続とは意味を拡張するとも言えます。」
若山さんにはいろいろと図示していただき説明していただいたのですが、私の正直な感想は
「わかるようで、わからない…。」
ですが、わかるようになるために必要なことはたぶん
数式を数式として理解するのではなく、1、2、3…という個数にとらわれるのではなく、数式があらわすことをイメージとして捉えることができる感覚なのだと思いました。

若山さんはさらにわかりやすく語っていただきました。
「発散しているものにどのように意味をもたせるかが解析接続である。」
「発散を正当にくりこむ」
「見かけの∞、それだけを見ていたら何も見えてこない」
「∞をどうとらえるか?」
「∞とは状態を示すもので、∞を∞のままにしておくことは∞を傍観していることである。」
「∞になっていくことに意味をもたせる。ただし意味を持たせられない∞もある。」
いきもの脳の私としては、生態系をどうとらえるのかに似ている感覚のような気がします。自然環境もただ傍観していては何も見えません。ミクロに、マクロに、様々に関係性を変えて、その捉え方を変化させるといろいろな意味が見出されます。自然界の営みも目に見えるものではありません。背後にあるものをイメージする能力が必要です。例えば花にとまる昆虫を見てその背後にある関係性をイメージできるかということです。かなり話が飛びすぎましたが、若山さんの話を聞いて私が考えたことであります。
さてさて、話はリーマン予想、カシミール効果と続きます。
リーマン予想とは素数の分布に周期性があるということにつながる予想です。最新の計算機で試すと100万個はその予想の上にあるそうです。ですが、いくつあろうが、証明できなければ数学的には意味がありません。ということで未だにリーマン予想は証明されていません。

とここで疑問、素数の分布に周期性があることが判明したなら素数をつかった暗号はすぐに解読されれしまうのでは?
暗号の安全性は下がるけれども、現在でもリーマン予想を仮定した安全度で暗号をつくっているので、実際には問題ないそうです。ただし、革新的な計算スピードを可能にする量子コンピュータが発明されるとあぶないそうです。技術革新が行われるとさらに技術革新が必要になるのですね・・・。
続いて、もう一つの素数の力、カシミール力。
どのような力かというと。真空中に2枚の金属板を並行におくと発生する微小な力です。数学の理論によってその存在が予想されていたのですが、最近ようやく実験で測定されたのだそうです。つまり数学の理論が実際の力を現しているのです。
数学者曰く、「素数と宇宙がどちらが裂きにあったかというと、素数の方が先にあった!」
このカフェペディアが開催された2010年はカシミール力を予想したカシミール生誕101年だそうです。
ここで、若山さん一句
「素在りと目にはさやかに見えねども、空(くう)の力におどろかれぬる」(カシミール効果(真空)の歌)
この歌の元ネタは
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる」という古今和歌集1111首のうち169番目の歌だそうです。
リーマン予想が提出された年は1859年
出てきた数字を整理すると
この1859は素因数分解すると 1859=11×13^2=11×169
1111=101×11
全てが関連する!
そんな記念すべき2010年は素数的にも特別な年なのでありました。
正しい命題を証明したとき、数学では「発明した」ではなく「発見した」と言うそうです。数学者、小平邦彦さん曰く、「夏目漱石の『夢十夜』にある運慶が仏像を木から掘り出す話と同じく、数学的事実は我々が知らないだけであるんです。」そういう意味で、宇宙の前に素数はあると言えるのです。
高校までの数学はこった問題がいろいろと出されますが、これは訓練でなんとかなるそうです。しかし、大学での数学は言葉の習得、概念の習得でさらに直観力というものが求められるそうです。
そういう話をうかがって思いました。世界をとらえ、表現する方法には物理学、生物学、文学、絵画、音楽などたくさんの方法があって、数学もその一つなのではないかと。人間が作り出した様々な学問はすべて世界を知りたいという欲求からはじまったものではないかと。そんなことをぼんやり考えました。
ひさびさ(十数年ぶり)の数学の話に私も含めて会場のみなさんはぐったりした様子でしたが、「久々に脳味噌がいい汗をかいた」という感じで、スポーツを楽しんだ後のような、爽快な疲労感に満たされておりました。

参加者のアンケートにも印象的な言葉がありました。「今回のカフェペディアでの話は理解は困難だったけど、詩をきいているような心地よさがあった。」
私もそう感じました。
今回のカフェペディアをきっかけに私の数学観は大きく変わり、数学関連の本を読むようになりました。が、よく理解できないことばかりですが…。数式を絵画を見たり、音楽を聴いたり、イメージとしてとらえることができるようになりたいと思っております。
若山さん、素敵な時間をありがとうございました。