Cafepedia(カフェぺディア)とはcafe+encyclopedia(百科事典)を合成したもので、「百科の学術」つまり生物や物理、文化や社会、芸術や音楽…etc様々な「科学」をキーワードに、様々な方々を語り手に迎え、知的好奇心をくすぐる様々な話題をつまみにして、おしゃれなカフェで飲み物を片手に楽しい時間をすごそうという企画です。

カフェに参加している人だけでなく、その場に居合わせたお店のお客さん全員が、「科学」の話をBGMにお酒を楽しめるような雰囲気を生み出す。科学夜話”Cafepedia(カフェペディア)”はそんな粋な空間を目指しています。

2011年10月4日火曜日

第四十四夜&四十五夜開催のお知らせ!その2

そして今月、科学夜話Cafepedia第2弾は語り手に福岡県立大学の福田恭介さんをお迎えして、「まばたきの心理学」をテーマに開催します。

今回の開催に先立ち打ち合わせと称して、福田先生の研究室にお邪魔し、いつものように一足先に一人カフェペディアを満喫させていただきました。

いろいろな話題で「へーっ、ほーっ」と新たな発見に出会ったのですが、その際の話題の一つで以前私がTVインタビューを受け、その映像をあとで見ると異常なほどにまばたきをしていることに気づいたことをお話したところ、「まばたき」に関するいろいろな研究データを示していただき、その原因をずばり教えていただきました。なんと私のまばたきは心の動きと深く関係していたのです!

どのような関係か・・・それは今回のカフェペディアで明らかになります。

「まばたきは目が乾かないようにするんだろう。」とお思いの方、まばたきにはそれ以上に重要な働きがあったのです!それを知りたい方はぜひカフェペディアにご参加を!

第四十五夜 「まばたきも口ほどにものを言い!?~まばたきと心の関係~」

語り手  福田 恭介 さん
      (福岡県立大学人間社会学部人間形成学科教授)  

開催日時  平成23年10月14日(金)
        18:00開場~、19:30「語りの時間」~、20:30フリータイム~
        「語りの時間」前後には語り手とのフリートークをお楽しみください。

※カフェでの飲食について
      18:00~19:00 自由に食事をお楽しみください。
      19:30~20:30 ドリンクのみご注文できます。
      20:30~    自由に食事をお楽しみください。
      飲食メニューについては後日、改めてお知らせします。
      お楽しみに!

参加費 無料(飲食については各自でお支払いください。)

場 所  「cream」
      北九州市小倉北区馬借1丁目15-8藤本ビル1F
      TEL093-533-3311
      http://www.cream-colony.com/

座席などの準備のため、事前におおよその参加人数を把握必要があるため、現段階で参加します。という方は10/12日(水)までにpost@cafepedia.net 担当 梅野 までご連絡ください。

連絡なしでも参加できますので、「急に時間が空いた!」、「今日はちょっと寄り道して帰ろうかな・・・」などなど、お気軽にご参加ください。

第四十四夜&四十五夜開催のお知らせ!その1

今月はなんと連続2回で科学夜話Cafepediaを開催します!

まずは第四十四夜、「科学展示」をテーマに、語り手には日本科学未来館で展示開発を担当されている内田まほろさんをお迎えしての開催です。

日本科学未来館は東京のお台場にある科学博物館です。
私、この博物館がお気に入りで上京した際にはほぼ毎回来館しております。
どこが気に入っているのかというと良い意味で雰囲気が博物館ぽくないのです。

うまく表現できませんが、宇宙船の中にいるような感じです。
館の吹き抜けに展示されている地球ディスプレイのせいでしょうか・・・。

館内の様々な展示の解説の文章も心に響くものが多々あります。

科学博物館とは科学が展示されている施設なのでしょうが、「科学」といっても分野は幅広く、それを「展示する」、つまりは「科学」という存在を「伝える」わけなのですが、科学の”何を”、”どうやって”、”何のために”と考えていくといくつもの解があるように思えます。
日本科学未来館を訪れるとその試行錯誤が詰まっているような気がします。だから私はひかれるのでしょうか?

科学者ではない人にとっての”科学”とはいったいどのような存在なのか?今後の科学夜話Cafepediaの行く末を知ることになるのかも・・・。

追加情報
10/15~12/18に北九州イノベーションギャラリーhttp://www.kigs.jp/kigs/index.php日本科学未来館が企画制作した企画展「メイキング・オブ・東京スカイツリー(R) ~ようこそ、天空の建設現場へ~」が開催されます。この企画展示の裏話も聞けるかも・・・。


第四十四夜 「”新しい知”を展示する~文系出身科学館キュレーターの話~」

語り手  内田 まほろ さん
      (キュレーター・日本科学未来館展示開発課長)

      http://www.miraikan.jst.go.jp/

開催日時  平成23年10月12日(水)
        18:00開場~、19:30「語りの時間」~、20:30フリータイム~

「語りの時間」前後には語り手とのフリートークをお楽しみください。

※カフェでの飲食について
      18:00~19:00 自由に食事をお楽しみください。
      19:30~20:30 ドリンクのみご注文できます。
      20:30~    自由に食事をお楽しみください。
      飲食メニューについては後日、改めてお知らせします。
      お楽しみに!

参加費 無料(飲食については各自でお支払いください。)

場 所  「cream」
      北九州市小倉北区馬借1丁目15-8藤本ビル1F
      TEL093-533-3311
      http://www.cream-colony.com/

座席などの準備のため、事前におおよその参加人数を把握必要があるため、現段階で参加します。という方は10/10日(月)までにpost@cafepedia.net 担当 梅野 までご連絡ください。

連絡なしでも参加できますので、「急に時間が空いた!」、「今日はちょっと寄り道して帰ろうかな・・・」などなど、お気軽にご参加ください。

2011年8月7日日曜日

第四十三夜、開催のお知らせ

またまた報告書が滞りつつありますが…。
科学夜話Cafepediaは様々な分野の語り手の方々を続々とお迎えして、絶賛開催中です。

今回はなんと、「漫画」をテーマに開催です!
語り手には<仮称>北九州市漫画ミュージアム 専門研究員の表 智之さんをお迎えします。

老若男女問わず身近な書物であるマンガですが、なんと「日本マンガ学会」http://www.jsscc.net/ってあるんですね。
どんなことを研究するんだろう・・・。
まさに今回のカフェペディアのタイトル「”漫画研究”っち、なんなん?」という興味関心が湧いてきます。

実は前回のカフェペディアに表さんが来場されていて、語りの時間後のフリートークの際になぜか漫画の話題となったのですが、「へーっ、その漫画には、そんな切り口があったのかー!」などなど驚きの連続。こんな面白い世界、みんなで楽しまなければ!と急遽、その場で表さんに語り手を依頼したところ、戸惑いながらも快く語り手を受けていただきました。

みなさんも思い出のマンガ、今はまっているマンガ、いろいろあると思います。今回のカフェペディアではそのマンガの思いもよらない面が明らかになるかもしれません。事前に参加連絡いただける方はお気に入りのマンガタイトルを教えていただければ、表さんにお伝えしておきます。ひょっとしたらそのマンガの話が聞けるかもしれませんよ。もちろん、当日、その場でのリクエストにもお応えいただけると思います。

「漫画研究は複数の学問・専門領域の寄り合い所帯なので、柔軟さが肝要だったりします。場の性質に合わせて融通無碍に、がモットーです。」との表さんのお言葉に甘えて、勝手にこんな告知してしまいました。表さんOKですよね?

それではみなさん、思い思いの”漫画”を胸にぜひご参加ください!

第四十三夜 「”漫画研究”っち、なんなん?」

語り手  表 智之さん
      (<仮称>北九州市漫画ミュージアム 専門研究員)

開催日時  平成23年8月24日(水)
        18:00開場~、19:30「語りの時間」~、20:30フリータイム~

「語りの時間」前後には語り手とのフリートークをお楽しみください。

※カフェでの飲食について
      18:00~19:00 自由に食事をお楽しみください。
      19:30~20:30 ドリンクのみご注文できます。
      20:30~    自由に食事をお楽しみください。
      飲食メニューについては後日、改めてお知らせします。
      お楽しみに!

参加費 無料(飲食については各自でお支払いください。)

場 所  「cream」
      北九州市小倉北区馬借1丁目15-8藤本ビル1F
      TEL093-533-3311
      http://www.cream-colony.com/

座席などの準備のため、事前におおよその参加人数を把握必要があるため、現段階で参加します。という方は8/22日(月)までにpost@cafepedia.net 担当 梅野 までご連絡ください。

連絡なしでも参加できますので、「急に時間が空いた!」、「今日はちょっと寄り道して帰ろうかな・・・」などなど、お気軽にご参加ください。

2011年7月15日金曜日

第四十二夜、開催のお知らせ

なんと7月二度目の開催となる科学夜話Cafepedia開催のお知らせです!

語り手に北九州市立大学の日高京子さんをお迎えして、「生命科学」をテーマに開催します。

日高さんから今回のタイトルをいただいた際に新聞やニュースに最近良く登場するiPS細胞だ!ところでその前のATGCってなんだろう・・・と思ってました。しばらくしてようやく気づきました。高校時代、生物の授業で習ったDNAを構成するアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(T)です。

生命科学の分野は日進月歩ですよね。ちょっと前までヒトの遺伝子配列を全て解析するというヒトゲノム計画がまだまだ完了するまで数年かかると言われていたのが、今や商業的にゲノム解析サービスが行われていて一般の人も自分の遺伝子配列をしることができるようになったとかニュースで聞いた事があります。さらにはiPS細胞、再生医療・・・。生命科学の分野はどこまで進歩していくのでしょうか?

生命を直接扱う技術であるからこそ、おそらく今後その技術の恩恵を受けるであろう我々自身の理解も生命科学の進歩に追いつかなければならないと思います。そのためにはまずATGCの理解から・・・。ということで、みなさんぜひご参加ください。


第四十二夜 「ようこそ遺伝子の世界へ~ATGCからiPS細胞まで~

語り手  日高 京子さん(北九州市立大学基盤教育センター教授)

開催日時  平成23年7月28日(木)
        18:00開場~、19:30「語りの時間」~、20:30フリータイム~

「語りの時間」前後には語り手とのフリートークをお楽しみください。

※カフェでの飲食について
      18:00~19:00 自由に食事をお楽しみください。
      19:30~20:30 ドリンクのみご注文できます。
      20:30~    自由に食事をお楽しみください。
      飲食メニューについては後日、改めてお知らせします。
      お楽しみに!

参加費 無料(飲食については各自でお支払いください。)

場 所  「cream」
      北九州市小倉北区馬借1丁目15-8藤本ビル1F
      TEL093-533-3311
      http://www.cream-colony.com/

座席などの準備のため、事前におおよその参加人数を把握必要があるため、現段階で参加します。という方は7/25日(月)までにpost@cafepedia.net 担当 梅野 までご連絡ください。

連絡なしでも参加できますので、「急に時間が空いた!」、「今日はちょっと寄り道して帰ろうかな・・・」などなど、お気軽にご参加ください。


2011年7月7日木曜日

報告書 第三十八夜「自分を知ること、相手を理解すること~心理アセスメント入門~」

3月22日に開催した第三十八夜の報告書です。
福岡県立大学人間社会学部人間形成学科の吉岡和子さんを語り手に迎え、開催しました。

「心理学」分野でのカフェペディア開催は今回で2度目となります。前回は2009年12月、第二十三夜「知の巨人、ベイトソンからはじめる臨床心理学超入門!」をタイトルに九州工業大学保健センターの菊池悌一郎さんを語り手に迎えて開催しました。今回は、再度、心理学をテーマにカフェペディアを開催したいと菊池さんに連絡させていただいたところ、吉岡さんを紹介していただき、今回のカフェペディアの開催となりました。語り手から語り手の紹介をしていただく・・・某お昼の番組の某コーナーようです。

語りの時間、スタートです。

「心理学を専門にしている人は他人の性格がすぐにわかると思われがちですが、他人の性格はすぐにはわかりません。」

世間一般の心理学の専門家に対するイメージを最初から否定していただきました。確かにそうです。他人どころか自分の性格ですらよくわからなくなります。だからこそ世間一般では心理学に過度な幻想を抱いてしまうのかもしれません。

続けて、ぼそっと吉岡さんが言いました。
「すぐにわからないことを知っているというのが専門家なのかな・・・。」

専門家の口からでるこの言葉は深いです。
“無知の知”は専門家が語るからこそ重みのある言葉なのですね。素人が“無知の知”を語ったところで知らないことの言い訳にしか聞こえません。


吉岡さんがぼそっと言う言葉、その後の語りでも度々あるのですが、これが非常にしみるのであります。

さらに続けて
「他人の性格はすぐにはわかりません。カウンセラーはまず自分を知ることからはじめます。」

“汝自身を知れ“という言葉を思い出しました。
私としては、この言葉をかみ締めるだけで今回のカフェペディアは満腹のような気がします。

いえいえ、今回のカフェペディアはまだまだ始まったばかりです。

さて、これまで私は“心理学”と“臨床心理学”ごちゃまぜに言葉を使っておりましたが、そもそも心理学と臨床心理学はどう違うのでしょうか?

心理学は大きく分けて基礎心理学と応用心理学に分けられます。
基礎心理学では実験などを通じて、心理を科学的に捉え、一般法則を導き出していきます。一方、応用心理学は基礎心理学をベースに実際の問題や人を支援していきます。臨床心理学はその応用心理学の一部門だということです。

前回の語り手の西田さんにうかがった物理学が基礎物理学と応用物理学にわかれているという話を思い出しました。どの分野も基礎と応用に分かれているのですね。

臨床心理学を基盤に実際の現場に当る専門化は臨床心理士と呼ばれますが、これは国家資格にはなっていないそうです。なぜならば国家資格となると臨床心理士と一つの分野にまとめることになりますが、応用心理学の分野は幅広いためその調整がなかなかうまくいっていないそうです。

臨床心理士の領域は、スクールカウンセラーなどの教育分野から医療、保健、福祉、労働、産業など様々な分野にわたります。吉岡さん現在は大学の研究者ですが、過去そして現在もいろいろな分野での臨床心理士としての活動を行っているそうです。

実際の現場ではどのようにして臨床心理士は治療(?)を行っていくのか?

まずは臨床心理面接を行い臨床心理士とクライエントの関係性を築いていきます。クライエントには言葉にして癒される人、そうでない人もいます。それに合わせて、精神分析、夢分析、遊戯療法、クライエント中心療法、行動療法、箱庭療法などクライエントにアプローチする方法もいろいろあります。臨床心理士は臨床心理面接を通じて、クライエントにどのような方法があっているのかを確認していきます。

心理療法にはいろいろな方法がありますが、臨床心理士はその全てを網羅しているのでしょうか?もちろん臨床心理士の人はそれぞれの方法を知識的に知っています。しかし、それぞれの臨床心理士に得意分野があり、アプローチの仕方も異なっているとのことです。

会場の菊池さんからも
「落語における上方落語と江戸落語の違いや流派みたいなものです。学ぶ師匠の違いにもよるかなー。」
とコメントがありました。
さらに
「ようは芸風の違いです。」
芸風ですか・・・。なんとなくイメージできました。


臨床心理面接後は、その人らしさを理解しようとする手がかりを得るために臨床心理査定を行います。査定ですが、その人を評価するのではなく、どう支援していくかを探っていくために行うものです。

心理査定は心理アセスメントとも呼びますが、その手法もさまざまです。
知能検査、人格検査、質問紙法、作業検査法、、投影法など様々な手法があり、これらを組み合わせて心理査定を行っていくのだそうです。

吉岡さんはこの中の投影法、ロールシャッハ法について研究をされていました。

ロールシャッハ法はロールシャッハが考案作成した10枚のカードです。
吉岡さん、ロールシャッハの写真を示し、一言。
「第一印象は、かっこいい人だなー。ブラッドピットに似ているなー」
だそうです。


確かにそうかも・・・。

ロールシャッハ法とは10枚のカードに描かれた左右対称の模様が何に見えるかを語ってもらい、その見方からその人のパーソナリティーを探っていきます。10枚のカードはデザイン、示す順番も決まっているそうです。

どのようなカードか見てみたい!と思ったのですが、ロールシャッハ法のカードは刺激が強いので一般の場には出さないようにされているそうです。刺激が強いというとさらに興味がわいてしまうのですが、すごく不快に感じてしまうこともあるそうです。

ロールシャッハ法のカードは示されませんでしたが、スイスのロールシャッハ博物館で売られていたポストカードを見せていただきました。


「何に見えるか?」の問いに会場からは
ネコ、カエル、ヘチマ・・・
などの答えが出ました。

一枚の絵を見て、形で見る人、色で見る人、動きを見る人、ぞれぞれです。10人の人が見れば10人の人の反応の仕方があります。そこにその人が困ったときの対処の仕方やコミュニケーションのあり方が現れるのだそうです。

会場から質問です。
「知り合いの臨床心理士にロールシャッハテストをしてくれと頼んだのだけれども、断られた。知り合いにはできないのでしょうか?」とのこと。

友人や身近な人にロールシャッハテストをするとお互いに自分を出しすぎてしまい、その後互いの関係を保ちにくくなってしまうそうです。

質問された方も知り合いの方にそのようなことを言われ、断られたそうです。

自分の知らない自分を互いに知ってしまうことで関係を保ちにくくなる。
人を知るにはまず自分を知らなければならない。これは最初に吉岡さんが語った言葉です。
自分自身を知らない状態で他人の知らない他人自身を知ってしまうと他人を受け入れることができなくなってしまうのかもしれません。

人同士の関係は自分自身の全てをさらけ出すということではなく、他者を受け入れる態勢をどう自分自身の中に作り上げていくかということの繰り返しのような気がします。そのためには自分自身を知らなければならないというのも納得できます。

話はアサーションに移ります。
アサーションとは自他尊重の自己表現です。
「言うべきことを言う」のもアサーションですが、「言えるけれどもあえて言わないのも」アサーションです。

語りを聞いている時には気づきませんでしたが、こうやって報告書を書いているとロールシャッハ法からの話とアサーションが私の中で一連の流れとしてつながります。

カフェペディア開催前の打合せで吉岡さんとお話させていただいた際に、「心理学は特別なものではなくもっと多くの人が知るべき学問ではないか」という問いをさせていただきました。


最後に吉岡さんの体験を踏まえて、心理学は日常生活でどう役立っているのかなーというところを語っていただきました。

「人は自分自身の物事の捉え方の特徴を知っていることによって相手を客観的に理解することが出来る。」

「人は自分自身の感情や感じを手がかりに相手の理解を深め理解したことを基に傾聴したり、共感したり、提案したりすることができる。」

「人は自分の特徴を理解することによって自分をうまくコントロールできるようになる。」

例えば、「あの人いやだなー」と思ったとき、ユングの“シャドウ”という概念を知っていれば、実が自分自身のいやな部分を見ているのだと考えることが出来ます。

人が疲れているように見えているとき、“投影“という概念を知っていれば、自分が疲れているのを他者に見ているのではと考えることができます。

「臨床心理を学んで、自分自身は生活しやすくなっているかなー」
と、吉岡さんはまたぼそっと言われました。

続けて、
「心理学に触れなくても小説でも映画でも何でも自分を知る手がかりになりますよ。それがたまたま自分は臨床心理だったのかなー。」
と、

何の為に勉強をするのか、何の為に映画を観るのか、何の為に小説を読むのか、何の為に絵を描くのか・・・。

それ自分自身の姿を鏡に映して見るように、自分が生きているこの環境に自分を投影させ、はたまた過去に生きた人々の営みや思索に自分自身を投影させることで、自分を知ろうとしているのだと思います。

私はカフェペディアを通じていろいろな分野の方々に出会い、お話をうかがってきました。それぞれが学問的には全く異なる分野ですが、その時々の自分の抱えている問題や興味関心があることに結びつけて解釈してきたように思います。私は科学夜話カフェペディアを通じて、自分を知ろうとしているのかもしれません。


吉岡さんの語りは常に会場の参加者の様子を確かめながら、そして吉岡さん自身も語りをかみ締めながら進んでいきました。

語りの時間終了後も参加者とじっくりと話をされていました。


後でその参加者からは「話を聞いてもらって、なんだか楽になったー。」との言葉をいただきました。

私のつたない文章による報告書では、吉岡さんのかもし出す雰囲気はなかなか伝わりそうにありませんが、この参加者の言葉が全てを語っているように思います。

今回は吉岡さんを紹介してくださった菊池さんも会場に遊びにきていただいており、アフターカフェペディアの時間には菊池さんによる“臨床心理学は落語である説“の展開などいろいろな話で盛り上がりました。

科学夜話カフェペディア、続けるほどにつながっていく場だなーっと思った夜でした。

2011年7月5日火曜日

報告書 第三十七夜「不思議な現象、超伝導。そのヒミツに迫る!!」

2月23日に開催した第三十七夜の報告書です。
福岡大学理学部物理科学科超伝導物性教授の西田昭彦さんを語り手に迎え、開催しました。

西田さんとは昨年末に福岡大学で行われた福岡県の科学コミュニケーションネットワークSAFnetの立ち上げ式の打ち上げで同じテーブルになり、名刺交換させていただきました。その後、私世話人の突然のメールでの依頼にも関わらず、快く語り手を引き受けていただいたことで、今回のカフェペディアが実現しました。

話のスタートは2027年の開業に向けた整備計画が発表されたばかりのリニア新幹線からです。

リニアモーターカー、日本語で言うと磁気浮上式軌道で、その名の通り磁力で浮き上がり、さらに磁力で推進します。その為には強力な磁力が必要なため、列車内に超伝導電磁石が設置されています。

普通の磁石じゃだめなのかという疑問がわいてきます。通常の磁石、電磁石は電流を流して磁力を発生させるのですが、強い磁力を発生させるには強い電流を流す必要がありますが、電流が強くなればなるほど熱を発生してしまいます。そのため常伝導体による電磁石では1万ガウス、ピップエレキバンの10倍くらい磁力が限界だそうです。一方、超伝導磁石では電気抵抗がなくなるので、強い電流を流しても熱は発生せず、10万ガウスまで磁力を高めることができます。ピップエレキバンの100倍の磁力です!(ピップエレキバンという単位がピンとくるようなこないような・・・)。

上海には既にリニア鉄道が営業しているのですが、これは常伝導磁石で1㎝しか浮かないそうです。それに対して超伝導磁石であれば10㎝は浮くそうで、地震国の日本では1㎝浮上では安全性に問題があり、超伝導磁石を使ったリニア鉄道になります。

強力な磁力を発生できるほかにも超伝導磁石の優れた点は起動時に電流を流し電磁石にしてしまえば、電気抵抗がゼロなのでその後電流を流す必要はないそうです。厳密に言うと超伝導体を冷やす為のエネルギーは必要だけれども、浮いている状態を維持するためのエネルギーは必要ないのです。

リニア新幹線はまだ先の話ですが、実は身近なところで既に超伝導磁石は使用されていて、私はまだ未経験ですが、医療機関で利用されている体の内部を輪切りして見ることができる核磁気共鳴画像法、MRIです!このMRI、トンネルのような装置に入って画像撮影するのですが、このトンネルの周りに液体ヘリウムに満たされた超伝導磁石が組み込まれているのです。超伝導磁石って身近な技術だったのですね。

ここまでの話はイントロダクションだったのですが、話題のリニア新幹線やお世話になったことのある人も多いMRIから話がはじまったためか、スタートから会場から質問がいろいろと飛び交いました。

話はいよいよ超伝導という現象の不思議に迫っていきます。

「超伝導の不思議とは電気抵抗=0と内部磁場= 0二つのゼロです。」

電気抵抗=0はイントロダクションで話題になりましたが、まずはその発見に至るまでの話からです。
電気抵抗とは、電子が金属原子と衝突することで発生します。金属原子は熱エネルギーによる振動し、電子が流れていくのを妨げてしまいます。それでは金属原子の温度を全ての運動が止まる絶対零度-273℃まで下げていくとどうなるのか?という疑問が生じます。絶対温度の概念を導き、その名が温度の単位Kにもなった、ケルビン卿は「絶対零度になると電子も運動を止めるから、抵抗は高くなるなずだ」と考えました。一方、魔法瓶を発明した(魔法瓶発明がメインではありませんが)デュワーさんは「抵抗が無くなる」と予想しました。さて、ケルビンとデュワー、どちらの予想が正しかったのか・・・。

ヘリウムを液化することが可能になり、1911年、液化ヘリウムを使って行われた実験で超伝導状態が発見されました。今年、2011年は超伝導100周年ということで、世界中で様々なイベントが行われているそうです。

西田さん曰く、「今回のカフェペディアもその一つです」。

・・・本当は偶然です。昨年2010年の素数をテーマに開催した第三十五夜のカフェペディア時もカシミール生誕10周年という記念すべき年でした。閃くままに3年前の2月22日にネコの日だからということで、ノラネコをテーマに第1回カフェペディアを開催し、それ以降もいろいろな場で出会った方々に語り手をお願いしてきました。カフェペディアが続けてこれたのには、いろいろな偶然が積み重なったということも要因としてありそうです。こういうことをセレンディピティと言うのでしょうか。このセレンディピティという言葉も第三十三夜のカフェペディアで私は初めて出会いました。

そう思っていると、なんと超伝導の発見もセレンディピティだそうです。温度を下げながら電気抵抗を測定する実験を行っていたところ、装置の不具合で温度が上がったり下がったりしていて、その温度の変化に合わせて電気抵抗がゼロになる状態が発生したり、しなかったりしたそうです。そこで、意図的に温度を上げてたり、下げたりしてみたら、超伝導状態が確認できたということです。さらなる偶然は測定を行っていた水銀の転移温度が冷やす為に使用していた液体ヘリウムの温度と同じだったということです。違う金属を使用していたら、超伝導現象は発見できなかったかもしれません。

転移温度という言葉がでてきましたが、「超伝導は相転移現象」とも言えます。
相転移の定義は「温度、圧力、磁場などによって物質の状態が不連続に一斉に変化すること」となります。
イメージしやすい相転移現象は水が100℃で水蒸気になり、0℃で氷になるというものです。

物質の状態というと気体、液体、固体の3状態しかイメージにありませんでしたが、まだまだ我々の知らない未知の状態があるということになります。さらに想像が膨らんで、宇宙空間の温度は-270.42
℃であるということを聞いた事があります。となると宇宙空間では超伝導状態が普通の状態だということになりますよね。むしろ地球上での状態の方が特殊というか・・・。

となると我々の理解する物理科学というものは特殊な地球限定物理科学となるのでしょうか?
物理科学の究極目標は全て現象を一つの理論で表すといことであると聞いた事があります。未知の条件がある中でそれは本当に可能なのだろうか・・・などと素人考えですが思ってしまいます。

さて、電気抵抗がゼロになる仕組みは、電子がクーパーペアにを組むことで抵抗がゼロになる・・・。理解が及びませんでした。今後、勉強します。
気を取り直して、もう一つのゼロ、磁場ゼロの話です。

これはカフェペディア開催前に西田さんの研究室にお邪魔した際に見せていただいた実験です。開催のお知らせ時に掲載した写真で紹介した。超伝導状態にある超伝導体の上で磁石が浮いているやつです。

よくよく考えると小学生のころ、磁石をN極同士、S局同士で向かいあわせて、浮かせて遊んでいました。ただし、このときには磁石が動かないように支えておく必要がありました。しかし、超伝導体の上に浮いている磁石は何の支えも無く、浮いています。しかも磁石のN極S極の向きを変えても浮きます。なぜ浮いているのか?よくよく考えると不思議です。

これは超伝導体が完全反磁性体であるマイスナー効果によるものなのです。と言ってもピンときませんが、磁石から出る磁力線を超伝導体がはじくことで磁石が浮いているということです。しかもただはじくだけでは、一点にとどまることはできませんが、超伝導体内に不純物が混じることで、その部分にだけ磁力線が通り、それに固定されることで、安定して一点に浮くことになります。これを“ピン止め効果”と言います。純粋な超伝導体だとこの“ピン止め効果“は生じません。不純物が混じった超伝導体でないと“ピン止め効果“は起こらないのです。超伝導磁石をつくるにはこの不純物の混じった超伝導体、第二種超伝導体が用いられるそうで、この”ピン止め効果”がないと超伝導磁石はできないそうです。なぜできないか・・・。理解不足です。勉強します。


さてさて、超伝導体になるのは液体ヘリウムで実現される-269℃という超低温が必要なのですが、1986年に液体窒素による-196℃でも超伝導体になる物質が発見されました。この発見にも、偶然、セレンディピティが作用しました。超伝導体を作る際には物質の構造を検討し、設計(!)を行うそうなのですが、発見時には1:1:3の物質を作ろうとしたのですが2:1:4の物質ができてしまい、この物質を調べてみるとなんと液体窒素で超伝導現象が発生したのです!これが高温超伝導の発見となりました。


さて高温と言っても-196℃です。十分に低温のような気がするのですが、液体ヘリウムを使用する-269℃と液体窒素による-196℃では冷却費用がケタ違いだそうです。液体ヘリウムは1Lあたり2,000円でお酒なみの価格ですが、液体窒素であれば1Lあたり50円程度です。なぜこんなに価格が違うかというと大気中は8割が窒素ですが、ヘリウムは大気中には0.0005%しか含まれていません。高価な理由がわかります。実際は液体ヘリウムは大気中のヘリウムではなく液化天然ガスから精製するそうです。

高温超伝導体の発見でMRIなどの実用分野での低温超伝導体は全て高温伝導体に置き換わるかと思いきや、実は高温伝導体にも問題があって、高温伝導体は焼き物なので硬くてもろく、加工したり曲げたりが困難なのだそうです。なかなか上手くいかないものです。

超伝導体の実用ということで、前述のリニア鉄道や磁石以外にもいろいろと紹介していただきました。その一つが超伝導ケーブルです。超伝導体は電気抵抗がゼロですから電気を送電する際のロスが全くありません。そこでこのケーブルを全地球規模で張り巡らせれば、自然エネルギーによる発電が効率的に行えるのです!太陽光や風力などの自然エネルギーは場所により多寡があります。自然エネルギーが豊富な場所で発電しても使用する場所に送電する際に送電ロスで電流が失われては効率が悪くなってしまいます。そこで超伝導ケ-ブルを使用すれば、太陽光発電ならば昼夜、季節変化を平均化できるし…。その前に国を越えるという難問がありそうです。

いろいろと超伝導の不思議の話を伺いましたが、百聞は一見にしかずということで、実際に実験してみようということになりました。


一斉に参加者のみなさんの目が輝いてきました。
実験テーブル前にみんな集合です。

液体窒素を流し込みます。

「おーっ」

十分に冷えた超伝導体にいよいよ磁石を浮かべます。
「マイスナー状態になっています」


「おーっ」

みなさん一斉にカメラ片手にパシャパシャと撮影会がはじまりました(笑)。

「磁石のNとSをひっくり返しても・・・、浮きます。」

「おーっ」

西田さん、さらに大きな磁石を浮かす為に大きな超伝導体を取り出しました。

「おーっ」

この大きな超伝導体に浮かべる、磁石には地球儀が取り付けられています。これが浮かんで、さらに地球の磁石が回りだすと・・・。


拍手が起きました!

またもや撮影会のはじまりです。今度は動画撮影されているかたも・・・。
(youtubeにそのときの動画がアップされていました。コチラです。)

目の前で超伝導現象を見て、みなさんさらに関心が高まり、

「ふかふか浮かぶ超伝導ベットがほしい」
「落ちたら液体窒素で危ないよ」
「でも、夏は涼しいかもね」

などなど、会場のあちこちで超伝導雑談が沸き起こっていました。

今回のカフェペディアでは貴重な超伝導実験を目の前で見ることができ、みなさん超伝導の不思議を体感することができました。

世話人の私もまさかカフェで超伝導の実験をやるなんて思ってもみませんでした。いやー、やっぱり実験は楽しいですね。もっと学生時代に実験を楽しんでおけばよかったと悔やんでおります。今後もカフェペディアでいろいろと実験をやりたいな・・・とひそかに思う世話人でありました。

西田さん、盛りだくさんの内容ありがとうございました。リニア鉄道、ぜひ体験試乗したいですね。

2011年7月1日金曜日

第四十一夜、開催のお知らせ

6月はお休みしておりましたが、お待たせしました!科学夜話Cafepedia開催のお知らせです!
語り手は第十五夜でナゾの物体、虫こぶの正体について語っていただいた湯川淳一さんです!

私、管理人、役得ながら、これまで語り手をつとめていただいた様々な分野の方々とは、科学夜話Cafepediaをきっかけにいろいろと情報交換をさせていただいております。

湯川さんからもアフリカへの調査の話や「地球温暖化と昆虫」出版の話などのメールをいただくたびに高まる興味関心でわくわくしていました。ずうずうしくも再度の語り手を・・・とお願いしたところ快く引き受けていただきました。

湯川さんに伺いたい話は山ほどあるのですが、今回はタイトルにあるように「地球温暖化」と「虫こぶ」の話。

はるか遠くに生息するホッキョクグマのことは話題になりますが、身近な虫こぶと地球温暖化との関係となると・・・う~ん、聞いた事がありません。

虫こぶは昆虫と植物の密接な関係で形作られるものですから、地球温暖化で植物の生育サイクルが変化すれば、昆虫もそれにあわさざるを得ず・・・。いやいや、昆虫の生活サイクルの変化が先に起こるのだろうか・・・。タイトルから勝手に想像してしまいました。

そうそう、みなさんにお願いです。身近で奇妙な形に変形している植物を見つけたらぜひ採取して会場にお土産としてお持ちください。もしかしたらお宝虫こぶかもしれません。

第四十一夜 「地球温暖化は虫こぶ昆虫と植物の仲を引き裂いてしまうのか?

語り手  湯川 淳一さん(旧所属 九州大学大学院農学研究院昆虫学教室教授)

開催日時  平成23年7月13日(水)
        18:00開場~、19:30「語りの時間」~、20:30フリータイム~

「語りの時間」前後には語り手とのフリートークをお楽しみください。

※カフェでの飲食について
      18:00~19:00 自由に食事をお楽しみください。
      19:30~20:30 ドリンクのみご注文できます。
      20:30~    自由に食事をお楽しみください。
      飲食メニューについては後日、改めてお知らせします。
      お楽しみに!

参加費 無料(飲食については各自でお支払いください。)

場 所  「cream」
      北九州市小倉北区馬借1丁目15-8藤本ビル1F
      TEL093-533-3311
      http://www.cream-colony.com/

座席などの準備のため、事前におおよその参加人数を把握必要があるため、現段階で参加します。という方は7/11日(月)までにpost@cafepedia.net 担当 梅野 までご連絡ください。

連絡なしでも参加できますので、「急に時間が空いた!」、「今日はちょっと寄り道して帰ろうかな・・・」などなど、お気軽にご参加ください。